【続】Slow Magic~その後の2人~
★美亜★
家出
~美亜目線~
どうしてだろう。
いつもなら、冗談で笑って済ませるようなことが、許せなかった。
家を飛び出した。
きっと、隆介は本気じゃない。
ちょっといじめてみようと思っただけ。
『しばらくキスしね~から、家帰れば?』
そんないじわるは、日常茶飯事のはず。
でも、どうしても・・・
笑えなかった。
信じて欲しかった。
帰れ、なんて嘘でも言って欲しくなかった。
こんな状態の時だからこそ、一緒にいなきゃだめなんだって思った。
なのに、隆介は、「帰れ」って言ったんだ。
飛び出して、行く場所なんて・・・
ここしかない。