生徒会の甘い罠
何もリアクションがない時は安全というサインだ。


「お大事にと伝えといてください」


「わかりました」


丈二君には悪いが、松矢君はいつ見ても一般社会の人間にしか見えないんだよなあ。


松矢君にも自分の想いがあって今に至ると思うんだけど、ワシにはどうすることも出来ないし何か歯がゆいね。


「お嬢さんは駅方面へ向かったので、反対方向へ行くのがいいかと」


「ありがとう」


丈二君は怖い顔して言うことは優しい。


二人に礼を言い、沙弥さんの反対方向の道へ。


お気をつけという言葉を背中に受けて。


さあ、この後の時間だけど。


妻は娘と買い物に夢中だから今電話したら無視されるはずだ。


適当にブラブラして帰るか。


体力だけはつけとかないとな。


太陽も雲に隠れがちだし、いいコンデションだ。





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