恋せぬ王子と恋する少女
学校に着くと、


「みやびーっ、どうしたの!?王子様と登校なんて!」


そういって近づいて来たのは友達の南結衣(みなみ ゆい)だった。


「あ…、ううんw なんでもないのw」

そう返事をすると、


「えー、怪しいなぁ」


結衣はいつも勘が鋭い。


「うぅ、結衣に隠し事はできないなぁ…w」
休み時間。登校中のことを結衣に説明した。


「え、王子ってそんな性格だったの!?」
結衣が叫ぶ。


「シッ!静かに!! 聞かれちゃうかもじゃん!」
私はその後もひかるくんのことを結衣に話た


「と、とにかく!このことは内緒ね?」
そういって結衣には釘をさした。


そして放課後ー。


「結局なにもなかったなぁ…」
朝、ひかるくんにペットになれって言われて何をされるかドキドキしていた。
でも、実際は放課後の今までなにもなかった。それどころか会うことすらなかった。


「よ!」
と声をかけられた。


振り向かなくても誰だか分かった。


「双葉くん!」
なぜか私は嬉しそうに返事をしてしまった


「いやー、学校で本性知られるとまずいしな。てか今日の休み時間さ、俺のこと友達に話してたよな?」


え…、なんでバレたんだろう。でもバレてるから嘘はつけない。


「う、うん…ごめんね。」
素直に謝る雅


「いいよ、でもー。」


ん?なんだろ…と雅は考えた


「ペットを躾けるには罰がいるな」
そういうとひかるくんの顔が私に近づいてきた。


「罰として自分から俺にキスしにこい」


…え? 冗談だと思った。


「私、まだ誰ともしたことないし……」
雅は今まで誰とも付き合ったことがない。


「そうなんだ、でも俺がキスしろって言ってるんだから、そんなこと関係ないよな?」


自分勝手なひかる。


「わ、わかった…。」
雅は受け入れた、雅の口がひかるの頬にふれる。


「なんでほっぺなんだ?口でしょ普通」
そうひかるが言うと、


「だ、だって!口になんて一言も言ってなかったし…」
雅からの精一杯な小さな反抗だった。


「まあ今日はこれで許してやるよ」
そういってひかるくんは先に帰って行った。


今日も一日頭の中がひかるくんで終わる、そんなことを思った


ピロンッ
ふと携帯が鳴った。


「ん…メールかな…」


幼なじみで同じクラスの男の子、東堂隼人(とうどう はやと)からだった。
隼人はいつも明るくてクラスでも人気の男の子で、本人は気づいてないけど結構モテてたり…w


『今日さお前が帰りに双葉と一緒に歩いてるとこ見たんだけど付き合ってんのか?』


隼人にはホントのことを言わず、付き合っていないと言うことだけ返信した。


ピロンッ
また隼人からだ。


『よかった、なら安心だわ』
隼人からの返信に雅は


「ん?なにが安心なんだろ…、明日にでも学校で聞いてみよっかな」
そんなことを考えながら寝ようとした時ふと雅は思った。


そういえば…双葉くんの電話番号知らない
結局最後はなぜかひかるのことを考えていた
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