君が嫌いな君が好き
「おめでとうー!」

「幸せになってねー!」

純白のウエディングドレスに身を包んだ後輩のエミちゃんは嬉しそうに笑っていた。

その隣にいるのは、同じく純白のスーツに身を包んだ彼女の夫になった人である。

ライスシャワーと関係者たちからの祝福の言葉が飛び交う中、私は1人で、それも隅っこでポツンとその光景を眺めていた。

――おめでとう、エミちゃん

心の中で祝福の言葉を言った後、逃げるようにその場から離れた。

トイレに入って、個室に駆け込んだ瞬間、ようやく息を吐くことができた。

「――どうしてなの…?」

そう呟いた瞬間、泣きそうになった。

何で私は幸せになれないの?

「――私だって幸せになりたいのに…!」

ダン!

怒りをぶつけるように、拳で壁をたたいた。
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