諦めた夢を古本屋『松岡』が叶えます

「よし、決まりだな。じゃあ陽琉行こうか」

 松岡さんは私の手を引き、居間へと足を運んだ。彼の手は温かくて、私の心を癒してくれるようであった。

「な、なんですか」

「大丈夫か? 今日、ダメだったんだろう?すまない。俺のせいだ」

 田中さんから連絡をもらったのだろう。

彼のせいじゃないのに申し訳ないことをしたなあと思った。

「いいえ。松岡さんのせいじゃありません。私がまだまだだからです。次頑張ります」

 笑顔で私は言ったら、彼はニコっと笑顔で笑い返してくれた。

そしたら、無理しないで、頑張っていこうなと言ってから台所へ向かった。

「陽和。陽琉になんかしてないでしょうねぇ」

「ひよっちならやりそう」
< 120 / 197 >

この作品をシェア

pagetop