諦めた夢を古本屋『松岡』が叶えます
歩む道

今日は、久々の大学に登校だ。

就職決まって行ってなかったから、お世話になった先生方に挨拶しなくちゃな。

 それはいいものの授業の単位がヤバイ。

 古本屋『松岡』でバイトと就職活動を始めてから授業をまともに受けていない。

 なので、私が取っている授業は出席日数を重視している授業が多いため単位が落ちる可能性が高いのだ。

 ヤバイ。

 就職はできたけど、大学卒業出来ないかも。

 そう思って授業に向かおうと歩いていたら、一人の女性が声をかけてきた。

 夏帆だった。

 久しぶりに見たが、何も変わっていない。

 清楚で美しくて裏表がない。

 何も。

「久しぶり。陽琉が来なかったから寂しかったよ。何してたの!」

 何してたのって。

分かってるのに、私の口から言わせるの。

「……いや、まあ就活とバイト」

 私は素直に答えた。

「そっか。頑張ってるんだね」

 夏帆は、就活のことは何も言ってこない。

 前は言ってきたのに、私に気を遣っているのか?

 夏帆らしくない。
どうしたんだろう?
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