諦めた夢を古本屋『松岡』が叶えます

空が変わりなく動いていて、周囲の人は私以外悩みのない人に、あの頃は見えていた。  

でも、あの人はもっと悩みのない人に見えた。

外見と内面は違うことに就活生の私は見えていなかった。

「はあ―、もう嫌!」

「どうした? 陽琉(はる)」

私達は、山岡大学文学部四年生の就活生である。

私に心配そうに声を掛けてきたのが、大学の友達夏帆(かほ)。

つまらない長い講義を終えて、休憩室で話をしていた。

 夏帆は、しっかり者で大学一年生から交際中の彼氏とは上手くいっていて、大手企業の会社に就職出来たらしい。

だが、私はあらゆる会社を受けても受からない。


何故なのだ、この差はなんなのだ。
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