ボイスインプット
1.私の好きな人
「君の事が好きなんだ!」
突然呼び出され、向かった先は校舎裏。
ほぼ初対面の男子に告白されている。
向こうは私のことを知っている様だけど、私はこの人、知らない…
「あ、ありがとうございます…」
「俺とつき合ってください!」
「す、すみません。どなたですか…?」
そう言うと、相手から血の気が引いた。
「まさか覚えられていないとは…俺は坂口淳平。君とは去年同じクラスだった。」
そう言われてもまだ思い出せない。
「はぁ…でも、とりあえずごめんなさい!」
そう言って逃げた。それにしても、あんな人いたかなぁ?全然覚えてない…
「咲!」
…それにしても、私なんかの何がいいんだろう。
「おーい、咲!!」
私なんか、いいところとか全然ないのに。むしろ、悪いところの方が多いかも。
「芦原咲さーん!」
「あ、はい!」
やっと気づき、振り向くとそこには親友のさっちゃんこと佐倉彩香がいた。
「全く…また告られてたんでしょ?相手は誰なの?」
「えっと…去年同じクラスだったみたいな人?」
確かさっき、あの男子はそう言っていた。
「告ってきた人の名前も、わかんないなんて!…まあいつものことか。咲、声にしか興味ないもんね。」
「うん!」
そう、私は声に興味がある…つまり声フェチ。好きなタイプも声が私の好みの人。顔とか性格とかもあるかもしれないけど、声さえ良ければ!という珍しくおかしな女子です。
「黙ってれば可愛いのに…イケメンも寄ってくるのに勿体ない!」
「イケメンでも、ゲスボだったら死んじゃう!」
「そんなに声がいい人なんて、この世にいるの?」
いわれてみれば、今まで型にぴったりはまる人はいなかったかもしれない。声優さんなら何人かいるけど…
「いる…と思う」
「思うって、いなかったらどうするの!?」
「大丈夫大丈夫」
いつか見つかるよ、と言いかけて横を通り過ぎた男子に耳が引き寄せられた。
「…だな。俺はそう思う」
いた。
「いたよ。」
そう言い捨ててその人を追いかけた。
「おーい、咲ー!」
まずは何年生か。何組の誰?もしかして若き声優だったり?まさか!ヤンキーとかじゃないよね…?とりあえず、身辺調査に行こう!
「あーあ。行っちゃった…」
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