嵐王


『声が出ないって…。』


昨日を思い返すと確かにジャスチャーだけで、
一言も話さなかった。


『生まれつきで?』


そう聞くと紫苑は首を横に振った。


『そう…。』


すると私の手から手帳を取り、
また何か書いて私に見せた。


【そのピアスの事は誰にも言わない。
次いでにウィッグも。】


やっぱり、見られたんだと下を向く。


バレるの思ったよりも早かったな…。


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