嵐王
紫苑side
無理矢理作られた笑顔を見て、
俺らも引き攣る。
『私の事なんかほっといて、
出されたプリントに集中してね。
ふわぁ〜…おやすみぃ。』
そう言って顔を背けて寝てしまった。
「ねぇ、紫苑。
信歩って何か隠してるって感じだけどさ…。
なんか…読めないんだよね。」
「珍しいですね。
捺央が読めないだなんて。」
捺央は俺だけじゃなく、
不特定多数の感情が分かる。
辛いだとか悲しんでるだとか。
「人間って喜怒哀楽があるじゃない?
でも、信歩は全部が曖昧で不確かみたいな…。」
調べてみるか、例の『朱雀』を。
紫苑sideEND