嵐王
「お母さん…蒼空も…「駄目ッ!!」」
蒼空の言葉を遮って声を荒らげる。
「ここで待ってて…お願い……。」
私と同じ瞳をした娘に懇願する。
今から行く場所が命に関わると分かっているから。
「…うん、待ってる!
絶対、帰って来なきゃ怒るからねぇ!?」
「えぇ、必ず。」
蒼空を置いて神崎組から出る。
未だにあの光景を忘れられずにいる私も
過去に囚われている。
それでも、私に出来る事を。
朱音sideEND