嵐王


棗side


「無駄話はもぉ飽きたぁ〜…。」


瑠愛が退屈そうに言うと周りの奴らが
血相を変えて襲って来る。


「ほらほらぁ〜!
お姫様を守らないと酷い目に遭わせちゃうよ♪」


『嫌ッ!』


数が多過ぎて手こずってると
信歩と引き離されるのが目に入った。


「信歩ッ!!」


俺は、俺はまた守れないのか?

『朱雀』も惚れた女さえも。

手をいくら伸ばしても空を掴むばかりで
何もかも俺の手からすり抜けて行く。


棗sideEND


< 450 / 523 >

この作品をシェア

pagetop