メジャースプーンをあげよう

「では失礼します」

 睦月さんに背を向けてドアへ向かう。
 その時、「そうだ」と小さな声がした。
 振り向くと、私へと近づいてきた睦月さんが言う。

「いつきさん、でしたよね」
「私ですか?そうです」
「たしか一月と書いていつきさんだと」
「ええ」
「私は睦月ですから、仲間ですね」

 そう言って笑った睦月さんは、なんていったらいいかわからないくらい可愛かった。



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