癒しの田中さんとカフェのまみちゃん
打ち合わせを終え、その足でカフェに向い、
急いで、いつものまみちゃんスタイルに直す。

「まみちゃん、お疲れ。どうだった?」

私の事情を知っているマスターが声をかけてくれた。

「マスター、疲れました~。」

とおどけてみせた。

「仕事、うまくいくといいね。」

「はい。」

「もし、シフト動かす必要があったら、早めに言ってね。
健に働かせるから。」

「ありがとうございます。」

それをたまたま聞いていた健くんが、

「マスター、ひどいっすよ。俺だって忙しいんですから。」

「お前、学生だし、今、彼女いないって言ってたじゃん。」

「まぁ、そう言いましたけど…。」

「お前に期待しているってことだよ。」

「健くん、ごめんね。私のせいで。
今のシフトの話は、私の本業のことだったの。
もし、今回のお仕事がうまくいったら、
健くんにご飯おごってあげるからよろしくね。」

「そういうことならOKです。」

健くんはにっこり笑った。

「お前、現金なやつだな。」

マスターは苦笑いした。
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