癒しの田中さんとカフェのまみちゃん
27Fで受付をして、小林さんに案内され、
今、私がいるのは28Fの社長室だ。

「失礼いたします。
社長、お約束の白石様をお連れしました。」

「失礼いたします。
私、今回、翻訳の件でお世話になった
白石真美奈と申します。
よろしくお願いいたします。」

「今日は、足をお運びいただき、すまない。
私は、この会社の社長・松浦悟(まつうら さとし)だ。」

そういって、名刺を渡しの前に差し出した。

「お名刺ちょうだいいたします。」

「まぁ、座って話をしよう。そちらへどうぞ。」

私に名刺を渡し、
応接セットのソファーをすすめてくれた彼は、
「スーツのモデル?」とでも思わせるような
イケメンだった。

180㎝以上ある身長、すらりと伸びた脚、
清潔感のある雰囲気で切れ長の目が特徴的だった。
鋭く、冷たい感じの目はかっこよくもあり、
ちょっと怖い印象もある。

「今日、君をここへ呼んだのは、新しい仕事の話だ。
新しい仕事を紹介する前に2,3確認させてもらいたい。」

「はい、なんでしょう。」

「君は、この間の仕事をしてみてどうだった?」

「はい、エンドユーザー向けのマニュアルとのことでしたら、
私自身、コンピュータに疎いので理解するのに大変でした。
しかし、勉強になりましたし、いい経験になりました。」

「まぁ、コンピュータに疎いというわりにはよくできていたよ。
ただ、これが最終稿だ。自分との違いを見てみるといい。」

そういって、彼は私に最終稿を見せた。

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