癒しの田中さんとカフェのまみちゃん
「それだけ?彼から何か告白はなかったの?」

「う~ん、私にとって気になる言い方をされたのがあって…。
彼は私のことが気になるらしいんですが、
恋なのかどうなのかわからないって感じのことを
言ってきたんです。」

「それを聞いて、まみちゃんはどう思ったの?」

「私も松浦社長に興味を持ち始めているのかなって
思いました。」

「ふーん。じゃあ、言い方変えるね。
まみちゃん、自分が彼にとっての特別だと思わなかった?」

「彼は『女性不信だった。』と言っていました。
だから私は『特別だったらいいのに』って思いました。」

「それ、きっと恋よ。タイミングを考えすぎて、後悔しないようにね。」

「えっ?」

「まみちゃんは、いつも一生懸命で、
みんなのことを考えすぎているところがあるの。
もっと自分のことも大切にしてね。」

さやかさんの最後の一言で、
昨晩のもやもやが解消されたような気分だった。

「わたし、そんな風にみえますか?」

「えぇ。また、倒れちゃうんじゃないかなって
思っちゃう。」

「大丈夫です。
でも、こうやって心配してもらえてうれしいです。」

二人で40分くらい店にいた。
さやかさんはお夕飯の支度があるため、午後6時前には店を後にした。

さやかさんに言われて、私は改めて自覚した。
私は悟さんが好き。ただ、仕事のことも考え、
翻訳の仕事の一区切りである9月が来たら、告白しようと思った。
まずは仕事に打ち込もうと自分なりの結論を出した。
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