癒しの田中さんとカフェのまみちゃん
「親父、どういうことだ。」

俺は管理室に怒鳴り込んだ。

「俺は何もしておらん。
まみちゃんにお前のことを支えてほしいと
お願いしただけだ。
俺の口からそれ以上のことは何も言っておらん。」

「わかった。とにかく真美奈は、連れていく。」

真美奈にはまだ、俺がB.C.Building Inc.の息子だということを
話していなかった。
親父の口から聞くよりは、俺自身が真美奈に直接話したい、
そう思って彼女の手を取り、俺の部屋へと向かった。

「悟さん、どこへ行くんですか?」

「とにかく、俺についてきて。」

管理室の隣の扉を開け、隠しエレベーターで52Fへと向かった。
エレベーターを降り、目の前のドアの暗証番号を押す。

「真美奈、どうぞ。」

俺は彼女を中へ入れた。

「あの、ここってホテルの特別室ですか?」

「いや、俺のうち。
あとでゆっくり案内するからとりあえず、こっちに来て。」

そういって、彼女をリビングに案内し、ソファーに座らせた。

「何か飲む?」

「いえ、大丈夫です。」

「さっきは親父がごめん。」

「いえ、きっと悟さんのことが心配だったんですよ。
愛されているんですね。」

真美奈のことばに俺は照れた。

「真美奈に聞いて欲しい。俺の話。」

「はい。」
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