癒しの田中さんとカフェのまみちゃん
指輪を買い終わり、
次に向かった先は有名な和菓子屋さん。
そこで悟さんは手土産にするような
箱詰めのお菓子を買っていた。

「これからどこかへいくんですか?」

そう聞くと、しれっと

「俺の実家。」

と答えた。

「えぇーっつ!!」

思わず、大声をあげた。

「真美奈、ちゃんとスーツ着ているし、
そのままで大丈夫。手土産はさっき買っただろう。」

「でも、私、心の準備ができていない…」

「もう、うちの親父とは会っているんだし、
しかもうちの親父に『悟のことを頼む』と
言われたんだから、何も心配いらないよ。」

悟さんの世田谷のご実家に到着した。

「ただいま。真美奈を連れてきたよ。」

悟さんがいうと
お母さまが玄関まで出迎えてくださった。

お母さまは和服美人といった感じの
小柄な方だった。悟さんが180㎝くらいあるので、
そこから考えるとイメージとしては意外だった。

「はじめまして。白石真美奈と申します。」

と挨拶すると

「あなたがまみちゃんね。
うちの主人や中村さんたちから聞いているわ。
さあ、どうぞあがって。」

「お邪魔いたします。」

「まぁ、こちらにどうぞ。」

そういって、ゲストルームに通された。

「今、お茶を用意するわね。」
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