自殺カタログ
☆☆☆

放課後になる頃、アンミはクラスメートたち全員から無視されるようになっていた。


元々権力を振りかざして身勝手な行動ばかりをとっていたアンミに対して、クラスメートたちは不満を抱いていた。


その不満をぶちまけてもいい状況になると、もうアンミの事を相手にする子なんて誰もいなかった。


あたしがイジメられていた時と違うのは、傍観者がいないと言う事だった。


クラス内の全員が直接的にイジメに関わっていた。


アンミが全裸で立たされているのを見ればあちこちから淫乱女という罵声が飛んだ。


百花がアンミの体操着を焼却炉へ運べば、他のクラスメートたちがそれに火をつけた。


それを見ているだけでアンミへの不満がどれほどのものだったのか、よく理解できた。


アンミは1人で唇を噛みしめてただただ我慢するだけだった。


助けを求めようともしない、泣こうともしない。


そんなアンミたちを見て、クラスメートたちは更にヒートアップしていく。


「まだ調子に乗ってるつもりでしょ?」


「お前さぁ、もう自分の立場理解すれば?」


そんな風に憐れみを含んだ声が出てきたほどだ。


アンミたちの様子を横目で見ながら、あたしは晃紀と2人で教室を出た。
< 191 / 311 >

この作品をシェア

pagetop