自殺カタログ
イジメ再発
龍輝が学校に来なくなって一週間が経とうとしていた。


2年3組の授業は学校の体育館で行われていて、他の生徒たちと顔を合わせることもなくなっていた。


それぞれのクラスでも先生からの監視が始まっているらしいが、特に3組の監視はひどかった。


授業時間でも休憩時間でも、常に1人は先生が体育館にいて様子を見ている。


少しでも大きな声を上げると、すぐに何事かと様子を見に来るのだ。


これじゃまるで囚人扱いだ。


それが息苦しいのか、生徒たちはみんな静かだった。


龍輝がいない事でクラスカーストもほとんど崩壊していて、上下関係があやふやにやっている。


校門の前には連日記者たちが待ち構えているし、もう普通の学校なんてここは存在していないも同然だった。


「芽衣」


休憩時間に呼ばれて視線を向けると、理央が立っていた。


「なに?」


「そろそろ次のターゲットを決めない?」


その言葉にあたしはサッと周囲を見回した。


百花が死んでから6日が経過しているが、そんなに焦る必要はない。


学校側があれこれと対策を考えている間に自殺者が増えれば、余計に学校が窮屈になりそうだ。


「向こうで話そう」


あたしはそう言い、理央と2人で準備室へと向かった。
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