えんぴつ
雅臣はかなりショックだったのだろう。
友人の愚行にもっと早く気付くべきだった
そうすればこういうことには……。

「もしも~し、雅臣くぅん?まだそのネタ引っ張るかなぁ~?」

流石の田原もこれには参ったようで泣き目状態であった。

「さて、これ以上君の痴態を見るのも飽きたしコレを返しに行く」

「おまえってホントにドSだよなっ!まぁいいや、それで本気でいくんだな?」

「あぁ、彼女がどんな人だろうと借りたものは返すのが当然だ」

「そうか、ならオレはおまえをもう止めない、でも!一つ重大な問題がある」

2人の間にピリピリと緊張がはしる。田原がもったいぶるように一呼吸置いてから、
荘厳な雰囲気を出しながら言った。

「もう……オレらの休み時間が二分をきったんだ……」

ガタッ!!!

「なんでもっと早くに言わなかったんだぁぁっ!!!」

まるで椅子にバネの仕掛けがあったかの如く雅臣は勢いよく立ち上がった。
そして、先程月代達が出ていったドアに向かおうとする。

だが、向かう寸前田原が前を遮る。

「もう無理だって!流石に次の授業に遅れるしっ、月代さん達に迷惑かかるって!!だから落ち着け」

「うぅ…仕方ない、返すのは後だ。それより次はなんの授業でどこでしたっけ」

なんとか落ち着きを取り戻し次の授業に備えようと試みる。

「ん、オレ達次は体育だな」

「そうか、体育か」

『うぉぉぉぁぁぁっ!!!!?』

2人は同時に教室から駆け出していった。

この後、2人が着替えに手間取り更に遅れたのは言うまでもなかったのである。
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