キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】


「もうすぐだよ」



グニャリ、歪に口を曲げ笑う。



「ああ、俺達がヒカリを手にするまでね」



ケタケタケタ、狂気を孕んだその声で。



「俺も待ちきれない、待てないな」



歌うように、密やかに、囁く。



「そう焦らなくても平気さ」



死んだように濁った目を見開いた。





愚者達は顔を見合わせ、深い闇に染まり切った笑い声をあげる。




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