キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】


「藍は、あそこでギター弾くのかあ」


まだ照明で照らされていないステージを、愛おしそうに眺める。


「midnightの皆、あのステージに立つと雰囲気が変わってすごく格好良くなりますよ。ステージに出てきた途端、観客がキャーッて黄色い声をあげるんです」


男も女も関係なくだ。


「ちょっと妬けちゃうな」


プクリ、小さく頬を膨らませてみせる波江さんの可愛さに私はノックアウト。


女子力を高めるために、波江さんから1から10まで色々と伝授していただきたい。


そしたら皐月と碧音君も私を女として認識してくれるはずだ。


「他の女の人が藍にハートを飛ばしても、藍は波江さんしか見てませんから大丈夫ですよ」


「刹那君も直球だったけど、明日歌ちゃんも照れるくらい直球だね」


「でも本当のことですし」


藍は波江さんのことが大切なんだ。


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