キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】



ライトに照らされた瞬間こそ驚いた顔をしたけど、すぐに飄々とした態度にもどる。


「そんなところです。あなた達は探検してるって感じじゃないですよね?」


トン、と階段をおりて距離をつめる。


「ちょっと、ライブの演出について話していて。誰にも聞かれたくなかったので」


一歩前に出てきて喋るのはワインレッドのピアスをしたリーダーの男。なんか、嫌な感じがする。


「けど紀藤さん達に見つかっちゃいましたね。じゃあ俺達は戻りますから」


探検、楽しんでくださいねと言い残して俺達の横を通り過ぎようとした。けど。


「行かせねぇよ」


皐月が前を塞いだ。


「やだなぁ高瀬さん。何するんです?」


別の男が笑顔を取り繕う。ただ、目が笑ってない。


「お前らの会話聞いてた。何が予想外で、誰が泣いてるんだ?」


「……言ったじゃないですか。演出の話だって。秘密ですよ」


深緑のピアスをした男が芝居がかった言い方をする。


< 336 / 579 >

この作品をシェア

pagetop