キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】


その先の言葉を飲み込む碧音。


「俺は!明日歌が好きだ」


「っ…………それは」


「始めはただの変態で頭ん中お花畑なやつだって思ってたけど。一緒に過ごしてく中で、見方が変わっていった」


濃い時間を共有するなかでふくらんでいく感情。


「人の痛みを分かりたい、気持ちを理解したいって一生懸命努力出来るじゃん、明日歌は。お前も分かるだろ?」


「知ってる」


「けどやっぱあいつ危なっかしいからさ。守ってやりたくなるんだよ。あいつを好きになる理由が、気づいたらいくらでもあった」


「……それを俺に言ってどうすんの」


「宣戦布告ってやつだよ!」


「宣戦布告も何も、俺は」


「それは碧音の本心なのか?」


碧音は今、自分のなかにある色んな感情を持て余してるんだろうな。香澄さんのこと、明日歌のこと。昔と今。


「……俺は」


「立ち止まってる間に俺が追い抜かしてやるからな。引く気はねぇよ。だから宣戦布告した!」


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