朧咲夜ー番外篇ー【完】


「………」
 

それは自分の所為だ。ごめん。
 

自覚があった。確かに流夜の方が、自由度があったと思う。


「……在義さんたちのこともあるから、式は先に考えるにしても籍は――、……神宮の苗字に、なってくれるか?」


「っ、…………ぅぁ……はい…………って言うか今そういうこと言わないでよー。さっきから涙ばっか止まらないよー」


「はは、ごめんごめん。日にちはいつがいいかな。誕生日とか合わせる人が多いみたいだけど、咲桜も俺もまだ先だしな」


「あ、えーとね……………」
 

また固まった。どうやら、


「思いつくの、あるのか?」


「えっ、あ、うん。……五月二十日、は? お、お見合い? の日……」


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