朧咲夜ー番外篇ー【完】
7 祝福をあげよう


取りあえず、咲桜が帰ってこない。
 

喧嘩をした、なんてわけではない。


今までも、咲桜が一方的に怒ることがあっても、流夜が咲桜に怒ったことはない。


むしろ怒っていても可愛いと思うので、怒る理由がない。
 

ただ、今は咲桜のマザコン+女好き+夜々子好きが爆発しているのだ。


「私は助かってるけど、流夜くんそろそろ咲桜に怒っていいと思うよ?」
 

まさか、嫁の父からそんな助言をされた。


「いえ……怒っているわけではないようです」


「でも落ち込んでいるんだね」


「………はい」
 

否定出来なかった。
 

珍しく、犯研の流夜の私室――室長室――への来客は、在義だった。


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