幾久しく、君を想って。
思い返せば、林田さんには前の職場で出会った時から今のようにお世話になり続けている。
拓海だけではなく、自分も彼女のことを凄く信頼している。


夜になって、松永さんにそうすることにしました…とメッセージを打った。

彼からも『その方がいいだろう』と、安心した様な言葉が戻った。



『今夜は拓海君は?』


拓海君…という文字を見て、これまでとは違う、彼の覚悟みたいなものを感じ取った。


『今夜は宿題が多く出てから疲れたんだって。ゲームもそこそこに早く寝ました』


微笑みながらも文字を打てば、一瞬だけ間が空いて『そう…』と返事が戻る。

私がただのバツだけの女性なら、この流れで会いませんか?という言葉が貰えるのだろうけれど。


『だったら真梨さんも早く寝て。昨夜は遅くまで俺に付き合わせてしまったからお詫びします』


会いたいのに会えないなんてもどかしい限り。
この間のように、彼が此処へ来てくれればいいのに。



『分かりました。おやすみなさい』


鈍感だなと思いつつも、その通りにしようと言葉を返した。

彼からは『おやすみ』という四文字だけが届き、後は何もこないままで液晶画面が暗くなった。


ぼんやりとその暗さに見入っていた。
そこはかとなく寂しい気持ちが生まれきて、それを考えないようにベッドの中に潜り込んだ時。


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