イケメンエリート軍団の籠の中
イケメンぎんなんはストーカー??



舞衣は久しぶりに最高にいい目覚めだった。
いや、実際はまだ目覚めていない。
目覚める前の、頭は半分目覚めているが体はまだ目覚めていないまったりとした感覚の中にいる。

なんだかいい匂いがする。
布団の感じもまるでホテルの柔らかい上掛けのような………

ガバッ。

舞衣は急速で完全に目を覚ました。
やっぱり、ここは凪の家だ。

な、凪さん……

舞衣の隣にすやすやと眠る凪の顔がある。
舞衣は上掛けの下の自分の衣服を確認した。

大丈夫、うさ子のままだ…

舞衣はそっと凪を起こさないようにベッドから外へ出た。


「うさ子、起きた?…」



「あ、ごめんなさい。
起こしました?

そ、それより、また酔ってそのまま寝たみたいで、本当にごめんなさい」


凪もベッドから起き上がった。


「ここ、お前の部屋だから。
俺は自分の部屋に行くわ。

多分、何でも揃ってるから、好きに使っていいぞ」


凪はまだ眠そうな顔をしてドアの方へ歩き出す。


「凪さん、私……
めちゃくちゃ早くに会社に行くので、凪さんはゆっくりして来てくださいね」


凪は右手を上げて部屋から出て行った。
舞衣は高鳴る心臓を抑えながら、もう一度ベッドに腰かける。

昨日といい今日といい、お酒にこんなに飲まれるなんて…
緊張と疲れがきっとピークに達してるのかも…


すると、何もしていないのにまたカーテンが開き出した。

ああ……
なんて素敵なの……

凪のゲストルームから望める景色は、真っ青な空にピンと張りつめた冷たい透明な空気の中、はるか遠くに富士山が見えた。




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