イケメンエリート軍団の籠の中



舞衣と凪は顔を見合わせ、またその小さな窓から見える夜景をしばらく見ていた。

すると、急に、凪が何かを思い出したように舞衣を自分の方へ向かせる。


「ねえ、3分50秒の落とし前はどうつけてもらおうかな」


3分50秒?
あ、さっきの遅刻のやつ??

凪はいつもの意地悪な少年に戻り、舞衣の表情を面白そうにうかがっている。


「落とし前って……
何をどうすればいいですか…?」



「何をしてくれる?」


舞衣は何をどう言えば凪が喜んで納得してくれるのか全く見当がつかない。
でも、そんな舞衣に、最高にナイスなアイディアが舞い降りた。


「じゃ……
今夜は、青と黒の2バージョンのうさ子に変身します。
それでいいですか…?」


凪は、上目遣いでそう答える舞衣を食べてしまいそうな、そんな飢餓感に襲われた。


「最高に嬉しい落とし前の付け方だけど、それじゃ、まだ1分50秒分だな…」


俺はバカな悪代官か…?


「え? じゃ、あとの2分は何をすれば」


困ってそう言う舞衣を、凪は階段の一段上に立たせた。


「舞衣の方から俺にキスをして……」


一段下に立っている凪の顔は、ちょうど舞衣の顔より少し下に位置している。
舞衣は照れくさそうに凪の肩に手を置き、優しくキスをした。

ぎこちなくくちびるが触れ合う中で、凪は意地悪に微笑んでこう言った。


「2分間、舞衣がリードして…」


悪代官だろうが、変態だろうが、何を言われても俺は舞衣に全てでひれ伏している。

こんな甘い媚薬を覚えてしまって、俺は、舞衣無しで生きていけるのかな……






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