光ることを忘れた太陽。

俺の全て




《尚也side》




カーテンを開けると、今日にピッタリな明るい日差しが差し込んでくる。



今日は卒業式だ。


俺達が学校へ行く、最後の日。


小学生として思い出の中に刻まれる最後の日。



今日で離ればなれになる人だって何人もいる。


というか、大半がこれから別々の道を歩んでいくことになる。



寂しくなるな。


隼とも気軽には会えなくなるんだろうし。


もうあの4人で今のように笑い合えることはなくなるのかもな。



でも、卒業は悲しいことばかりじゃない。


『卒業は新しいスタート』って、先生も言ってたし。



確かに中学校も楽しみ。


でも心を切り替えるためには、この悩みを解決しなきゃならない。




俺は2日前、咲希に告白した。


今までの想いを伝えて、あとは返事を待つだけ。


……のはずだったのに。


それから咲希は俺のことをあからさまに避けるようになった。
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