光ることを忘れた太陽。

「一生咲希は俺のだからな。他の奴なんかに絶対渡さねぇ」


……尚?どうしたの?


すごく寂しそうな顔してるよ。



「俺から離れんなよ。俺だって咲希といられなくなるんじゃないかって不安なんだよ……」


「尚……」


そんなこと思ってたんだ。


私だけだと思ってたけど、尚も同じ気持ちでいてくれたんだね。



でも、そんな悲しそうに言わないでよ。


私が尚から離れるわけないのに。



「じゃあ、約束しようよ!ずっと一緒にいるって」


「おう!」


そう言って私達は指きりをした。


その指にはおそろいのペアリングが光っている。



それは、春休みのデートのときに2人で買った大切な思い出の品。


学校にいないときはずっと右手の薬指につけようね、って約束したんだ。




約束するのは簡単だけど、破るのはそれなりの覚悟がいるんだよ。


だから、君は。


覚悟があって、私から離れる道を選んだんだよね─────?


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