光ることを忘れた太陽。

そう思っていたのに。


「尚、大丈夫!?」


「咲希……っ」



なんで、なんでこんなときだけ敏感なんだよ。


普段は鈍感なくせに。


咲希の力だけは借りたくねぇ。



「どうしたの?足痛いの?」


「別に大丈夫。ただ疲れただけだっ……」


そう言って走ろうとすると、足にズキズキと痛みが走った。



「……っ!」


ダメだ。


俺の力、ここまでなのかよ。



「無理したらダメだよ」


「でもっ……」


バスケの続きをしないと。


俺のためにも、仲間のためにも。


応援してくれてる咲希のためにも。



「私じゃ頼りない?」


そんなわけ、ねーじゃん。


1番信頼してるのは咲希。


でも、咲希にだけは迷惑かけたくねーんだよ……。
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