光ることを忘れた太陽。

すると井上はチラッと俺達の方を向き、笑みを浮かべながらこう言った。


「尚也くんに作ってあげたら?」



は?


え、っと……。


俺!?


井上、やっぱり俺が見てるのをわかってて聞いてたんだな。



「尚?」


咲希はキョトンとした顔で聞き返す。



「そう。きっと欲しいんじゃないかしら」


井上はそう言うと、またクスッと笑う。


コイツ、悪魔かよ……。



「でも、尚は私からのチョコなんていらないんじゃないかなー」


突然、そんなことを言い出す咲希。


え、咲希からのチョコなら何個でも食べたいんだけど。



確かに、咲希は不器用だから料理も苦手なはず。


それでも俺は、咲希からのチョコが欲しいんだ。



喉まで出かかってる言葉を飲み込んで、俺は隣にいる隼の方を見た。


すると、隼と視線がぶつかる。
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