光ることを忘れた太陽。

先生の知らせ




《咲希side》




「ほら、もっと声出してー」


パン、パン、と手を叩く音。


そして、教室中に響く歌声。




そう、あと1日でなんと……卒コンなんです!


だから、私達も張り切って歌の練習中。



そして藤野先生も……生徒と同じくらい楽しみにしているらしく、すごい勢いで指揮棒を振っている。


そんな先生につられて、私達ももっと声を出す。


その様子を見て、私達に期待と喜びの視線を送る人達もいて。


本番じゃないのに涙が出てきそう。




「これで練習を終わります」


「終わります!!」


歌の練習が終わって、教室に戻る途中。



「……明日、楽しみね」


そう呟いた藤野先生の言葉を、私は聞き逃さなかった。



明日、何があるのかな?


卒コン以上に楽しみなこと?


藤野先生にとって嬉しいこと?



そんなの、想像もつかないよ。


一体何が待ってるっていうんだろう?
< 88 / 301 >

この作品をシェア

pagetop