溺愛妖狐ひろいました


「見つけた!亜子!!おれも、一緒にご飯する―!」




ミコトは、人目もはばからず、場所も弁えず、私にべったりなのだ。
仕事はちゃんとしているし、仕事中にはこんなことはないけれど、ちょっとした仕事のキリがついた時とか、休憩時間とかは、すっかりゴロゴロと甘えん坊な子犬みたい。




「ミコト、騒がないで静かに来てよ。目立つんだから」

「え?なにが?」




そしてミコトは、人目に全く気付いていない。
自分がかっこいいと目をハートにされている事とか。
全く持って気づいていない。

ある意味図太い神経の持ち主なのかも。




「見て、今日ね、ロコモコ丼ってやつにした!ほら!ハンバーグ乗ってる!」

「美味しそうだね」

「うん!でも、亜子と一緒に作ったやつのが美味しいよ、きっと!」





スプーンを掲げながら満面の笑みでそう言い切った。
無自覚な小悪魔だな、ミコトは。




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