溺愛妖狐ひろいました


なにがわからないのかわからず、恐る恐る中を覗く。
中を覗いて、私は言葉を失った。



「なんかきついし、半端な丈だし・・・。妙な着物だな」




怪訝な顔で自分の体を見下ろすミコト。
ミコトは、上のTシャツの腕の部分を足に通し履いていたのだ。
なんでそうなる!?



「尾も、いまいち位置が悪くて変な感じする」

「え?尾?」



ギョッとして見ると、首を通す場所からはフサフサの綺麗な毛並みの尻尾が揺れていた。
なにあれ!可愛い!



じゃなくて・・・なるほど。
尻尾があるから、そっちが履くほうだと思ったのね。
不思議な着方に納得した。



「それはそうじゃないのよ。人間には尻尾なんてないの。だから、尻尾用の穴なんてないのよ」

「そうなのか・・・」




なんか力が抜ける。
つい笑っちゃいそう。
だめだよね、ミコトは本気なんだから。



「下着は履いた?」

「ん?ああ、あの妙な布切れか?」



妙な布切れ・・・。




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