溺愛妖狐ひろいました
「な、なんで!?白銀・・・!」
「偉そうに別れておきながら、なんだこの有様は」
「なっ・・・、そ、そんなすぐ立ち直れるわけないでしょ」
散らかった部屋を見て白金が呆れたように言うのを恥ずかしく思いながらもふて腐れてそう言った。
尊と別れてすぐいつも通りの日常に戻れるほど、私は図太くない。
「・・・何しに来たの」
「お前と、取引しに来た」
「取引?」
それはいったい・・・?
私は首をかしげながら白銀を見る。
白銀は少し嫌そうな表情を浮かべながらも私の前に座った。
「尊に、会いたいか?」
「・・・え。会えるの?」
「すぐに、ではない。あいつが刑期を終えた後だ」
「刑期を終えた後・・・。それって何年後なの?」
会えるほど刑期というのは短いのだろうか。
それとも、私がおばあちゃんになった頃という事だろうか。