笑わなくなった妖精が笑うには。
やっとついた。
どれだけ長いの、歩くの大変。
…ここが私の入る学校か。
なんか、フツー。すごく、フツー。
あっ
皆、もういる!遅刻してないよね?
えー、なんか、皆もフツー。
よし、目立たないためにもっと地味になろう。
って、もう結構地味だ。
あの頃に比べれば。
そう思いながら胸まであるロングで漆黒の髪を見た。

「おーい、体育館に集まれ!」
ガタイのいい体育系教師が言う。
あの先生だけは担任になってもらいたくない。
なんというか、うるさそう。


あーあ。いよいよ始業式。校長の話とか聞きたくない。どうせ長いしー。


…校長の長ーい長ーい話が終わって、いよいよクラス発表。
3クラスしか無いんだ。
ぼーっとしてると段々生徒が呼ばれていって、ついに「ハ行」まで来てしまった。
は…ひ…ふ…

「藤倉瞳乃!1B(22)」
「はい!」
1Bか…。

下駄箱へ行き、指定された場所に入れる。
…あれ。靴が入ってる。
「菱田舞夢」
…21のひとだよね。読み方、読み方。あ、ひしださんだ。
今なら追いつくかも。
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