ビルの恋
その後、私たちは札幌に電車で移動した。

アイリッシュコーヒーのアルコールのせいか、お互い段々と打ち解けてきて、札幌に着くころには、職場にいるような感じで話せるようになってきた。

本条君は大学から東京で、実は札幌の寿司屋は全く分からない、と言うので、駅ビルの回転寿司にした。
美味しかった。

私はバッグ一つ、本条君にいたっては財布しか持たずに来ているので、地元のカップルのように、街歩きをした。

歩きながら、沢山話をした。

本条君の家族は札幌市内に住んでいること、私の両親はリタイアして長野で田舎暮らしをしていること、休みの日は何をしているか、好きな映画は何か、話題を見つけては話し続けた。

空港に戻ってラーメンを食べ、紀美子さんにお土産を買って、東京に戻った。

帰宅したのは午後9時で、11時にはベッドに入った。

その夜、私は久しぶりにぐっすり眠った。
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