多分、姫。



何度かこちらを見たけど、一度も目が合わなかった……

まるで俺が見えていないかのように………





宏喜『……ごめんね。
認、極度の女嫌いなんだよね。』


歩き去る認の背中を見ながら、ポツリと話し出す。


一期『本当はね!!!
認、凄く優しいんだよ!!!!!
ただまぁ……昔ちょっとあって……ね。』


宏喜『昔のことは俺達からは、言えない。
俺達じゃ言えない。

だけど……これだけ。
本当はいい奴だから……アイツ。』


一期『許してあげて?
嫌いにならないであげて?』


そんなの……

「……わかってるよ。」


だって……

冷たい瞳の奥にある哀しみが、見えたから。

俺と同じ……哀しみが。


嫌いになんか……なれない。

なれるわけがない。





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