愛を込めて極北
星が輝く冬空
 それから年末年始を迎え、仕事が忙しくなったのと忘年会の連続でいろいろと慌しくて。


 時間が経つのがあっという間で、いつの間にか年末年始のお休みも成人の日三連休も終わり、一月も過ぎ去ってしまいそうなところだった。


 久しぶりに東さんから連絡があった。


 「美花ちゃん、ご無沙汰。あけましておめでとうだね」


 「今年もよろしくお願いします」


 挨拶が終わって、東さんは私の予定を聞いてきた。


 「美花ちゃんは急だけど来週末、土日の予定は埋まってる?」


 「いえ、両日とも特には。買い物にでも出かけようと思っていた程度で。いつでも行けるところですが」


 「だったら助っ人頼まれてくれないかな。急に身内の不幸があったとかで、ドタキャンがあったため一人足りなくなっちゃったんだって」


 「助っ人って、何の助っ人ですか」


 「ウィンターキャンプ。あいつが毎年支笏湖(しこつこ」)湖畔で開催している、宿泊研修みたいなものなんだけど」


 「あいつ、とは?」


 「楠木」
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