愛しの残念眼鏡王子
芽生えた恋心
「光希ちゃん、ごめん。この書類郵便局に行って、速達で送ってきてもらってもいいかな？」

「わかりました、いってきます」

社長から急ぎの書類を受け取り、事務所を後にした。


ここで働き始めて三ヶ月以上。

試用期間を終えた私は、先週から正式に正社員として働き出した。


社長を始め、みんなから「光希ちゃん」と呼ばれ、仕事にも慣れてきた。

最初は不慣れな生活に戸惑ってばかりだったけれど、今では自分にはここでの生活が合っている気がしてならない。

東京よりもずっと住みやすい。


「はい、確かにお預かりしました」

「よろしくお願いします」

郵便局を出て、会社へと戻っていく。


朝から青空が広がっていて、それは昼前の今も同じ。

太陽の下ってどうしてこんなに気持ちいいんだろう。


会社に戻る途中にある川沿いには、寝転がったら気持ち良さそうな芝生があって、よく休日はユウと散歩に訪れていた。
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