イジワルな彼とネガティブ彼女
寝ろ、と強引にベッドへ追いやられ、狭いキッチンに立つ本田さんの横顔を見ていた。


真剣な顔・・・黙ってれば、非の打ち所のないイケメンなのにな。


「できたぞ」


運ばれてきたのは、湯気からとてつもなくいい香りがする、カルボナーラだった。


「すごいおいしそうですね」


「おいしそう、じゃなくて、絶対にうまいから」


一口食べたら、麺とソースが絡み合って、このまま口内にとどめておきたいくらいおいしかった。


「今まで食べたカルボナーラの中で、断トツ1位です!」


「それはどうも。


ま、おまえは高級店とか行ってなさそうだし」


本田さんも目の前に座って、食べ始めた。


「どうして料理が上手なんですか?」


「大学の時に、イタリアンでバイトしてたから」


「へえー、すごいですね」


「おまえは、学生の時なんのバイト?」


「デパ地下とか、居酒屋とか、飲食店が多かったです」


「おまえ、食うの好きそうだもんな」





< 127 / 235 >

この作品をシェア

pagetop