イジワルな彼とネガティブ彼女
「莉子、なに考えてんだよ?」


「え、えーっと、呼び方を考えてた」


「マジメだな、莉子は」


本田さんは、ワインを一口飲むと、私の頭をなでた。


「いいよ、ゆっくりで」


「うーん、でも、話すのに『本田さん』って言っちゃうのが、悪いなぁって」


「じゃ、こうしたら呼び方変えられるんじゃね?」


ソファーに押し倒されて、いきなりのディープキスの嵐。


「あ・・・」


「まだ、痛むか?」


「ううん、もう痛くない」


「まだ優しくするから。


でも、俺の体でしか感じられないようにしてやるよ」


本田さんは、不敵な笑みを浮かべると、私の首筋に顔をうずめた。


経験したことのない感じが体をかけめぐり、私は自然と、


「楓さん」


と呼んでいた。


楓さんは満足そうに微笑んで、キスしてくれた。


そして私は、だんだん楓さんに染まっていったんだ。








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