イジワルな彼とネガティブ彼女
本田さんって、超能力者なわけ?


こういう風に人の気持ちがわかるから、大手企業の課長になれるわけ?


こうなったら、相談にのってもらうフリをして近づいて、情報を得るのも悪くないかもしれない。


真似はしないけど、他社の意見は参考になるはず。


「わかりました、どちらでお話ししますか?」


「ま、飲みながら話すか。


高橋はアルコール、何が好き?」


「ビールかワインが好きです」


「ふーん、じゃあこっち」


また馴れ馴れしく手を握ってきたから、


「手をつなぐ必然性を感じませんが」


ありったけの力で振り払った。


「高橋は、見た目とは違ってたくましいんだな」


何が楽しいのか知らないけど、本田さんはニヤニヤ笑っていた。

< 42 / 235 >

この作品をシェア

pagetop