イジワルな彼とネガティブ彼女
文房具の話題は尽きなくて。


お互いの会社で扱っているアイテムだけじゃなくて、他社の商品のことも話した。


「俺、あのシリーズ好きなんだよな」


「でも、ちょっと高いですよね」


「あのなめらかな書き味は、値段相応だと思うけど」


「でも、もう少し凝ったデザインでもいいような気がします」


気づけば、もう1時間も話し続けてる。


「そういえば、高橋はどうして今の会社に入ったわけ?」


「大学で色彩のことを勉強していて、あとは元々文房具が好きだったからです」


「俺は、大学院までいってインクの研究してたんだけど、そのまま残るか就職するかってなった時に、使う人の声を聞きたいって思ったから」


大学院か、やっぱりできる人って違うんだな。


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