イジワルな彼とネガティブ彼女
隣に座った翼くんの、体温を感じる。


落ち着け私、私の方が年上なんだから、余裕みせないと。


「莉子さん」


呼ばれて翼くんの顔をみると、突然キスされた。


何度も何度も、優しいキス。


翼くんは、私の背中に両手をまわしてくれたけど、慣れてない私は、ダランと両手をさげたまま。


「莉子さん?」


「ごめん、こういうことに慣れてなくて、どうしたらいいかわからなくて」


「莉子さんは、そのままでいいよ。


俺が莉子さんをめちゃくちゃ好きな気持ちが伝わるなら、それでいいから」


翼くんに抱きしめられながら、耳元で甘い言葉をささやかれ、私は軽くパニックになってしまった。


それからのことは、正直あまりよく覚えていない。


気づいたら、翼くんの部屋にいた。


「エアコンで部屋があったまるまで」


ソファーに座ろうとした私は、背中から抱きしめられた。


もう、身動きとれない。




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