サイコパスゲーム
屋上の鍵は、開いていた。


そこから吹き込んでくる風は、まるであたしを呼んでいるようだった。


屋上に出て、後ろ手でドアを閉める。


ポケットからあらかじめ入れておいたメモ帳を取り出し、1枚ちぎった。


鉛筆で

『海野 ナツ。
イジメとレイプと親友の裏切りで死にます』

と、簡単なことを書いておいた。


わかる人は分かるだろう。

例えば___舞美ちゃんだとか、緑ちゃんだとか、大河先輩だとか、


麗楽々だとか。


自然と笑みが零れた。

「じゃあ...逝こうかな」

あたしは屋上の柵に足をかけた。


《大体、死にたいと思う人が5人もいると思う?》


いつかの自分の言葉がなつかしく思える。

思わず自嘲した。

「馬鹿だったなあ...あの頃は」

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