空に星が輝く限り、私はきみを忘れない~Dearest~
「……よし」


覚悟を決めて、校門を乗り越えて忍び込む。


この時間ならまだ先生用の出入り口が開いていることは知っていたから、そこからこっそりと中へと入る。


校舎の中は、真っ暗だった。


廊下から教室から照明は落とされていて、当たり前だけどだれもいない。


や、いたらいたでそれも怖いんですけど。


幽霊とかは信じていないし、うちの中学には七不思議とか都市伝説とかそういった噂はなかったけど、それでも薄暗くなって人気のない校舎は単純に気味が悪い。


こつんこつん、とリノリウムの床に反響する自分の足音の意外な大きさに驚きながら、三年の教室へと向かった。


「英語のノートは……あった」


机の中を探すとノートはすぐに見付かった。


無事に回収して――よし任務は完了だ。


用が済んだら早くこんなところは出よう。


そう思い教室から廊下に出かけて、


と、その時だった。


「!」


人影が、見えた。


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